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インタビュー

「みんな、もっと自由に働いていい、生きていい」。“300年理念”を浸透させて、日本の働き方を変え、誰もがハッピーに働ける社会にしていきたい。/株式会社イメジン

大きく掲げるコンセプトは「会社、再定義」
そこに込めたのは、会社と人との定義を考え直し、人がより人らしく生きられる社会を300年かけて作っていきたいという想い。

この想いを「300年理念」と名付け、理念実現を目指す企業があります。

株式会社イメジンは、「300年理念」のもとで、あらゆる企業の「伝える」を支援する、B to Bサービスを展開しています。今回は、代表取締役CEOの松木友範さんにインタビューにお応えいただきました。

一見、途方もなく壮大に思える「300年理念」ですが、そこに共感する仲間とともに様々なチャレンジをする松木さん。そこには「働き方を変える」という強い意志がありました。

●プロフィール
松木 友範(まつき とものり)
2009年 東京大学卒。日本政策投資銀行に入行し、予算策定を担当、その後広島にて法人営業に従事。
2013年から米国カリフォルニア州立バークレー校に留学しMBAを取得。帰国後、2015年に友人とイメジンを設立しCEOに就任。

中小企業の「伝える」をお手伝いしたいという想いが起業の始まり。


ーイメジンの事業内容について教えてください。

現在は大きく分けると、「KAITAK」と受託開発の2つがメイン事業です。

いずれも、B to B企業の「伝える」にまつわる悩みをITで解決していく事業です。実際にテレアポを代行するとかではなく、お客様を獲得・継続してもらうための仕組みづくりから一緒に模索していくものです。

「KAITAK」は伴走型営業支援ツールという言い方をしていますが、問い合わせフォーム営業代行サービスで、パッケージ化されています。

例えば、販路を広げたいというニーズに対して、お問い合わせセールスレターをお送りする対応に加え、KPI管理(重要業績評価指標)も併せて行い、成果が上がる手法を探し出すという営業支援です。

受託開発については、新規事業がメインで、UI開発からプロダクト開発、継続開発などまで、一貫して請負います。依頼いただいた企業様に伴走し、クライアント獲得と継続を共に考えていくものです。

ーそもそも、なぜ松木さんは起業しようと思われたのでしょうか

大学卒業後、日本政策投資銀行で法人営業を担当しており、様々な中小企業の経営者と話す機会がありました。
皆さん、面白いアイデアやユニークな技術をお持ちなんですが、上手に発信できておらず、もどかしかったんですよね。

銀行マンは金融面で後方支援できるものの、もっと直接サポートできたら、中小企業にあるアイデアや技術をもっと発信していけるのではと考えたところが始まりです。

ただ、創業当時のビジネスモデルは今と違って、デザイン型クラウドソーシング、いわゆる、クラウドソーシング型業務委託でフリーランスのデザイナーさんに仕事を受注するというものでした。

最初はデザインに特化していたんですが、だんだんとコーディングやエンジニアリングについても求められて、受託開発になっていきました。さらにサービスそのものを一緒に作ってほしいという話になり、KAITAKの着想がスタート。今の形になっていきました。

クライアントの業種としては、人材業、コンサルティング業、システム開発業、デザイン業のほか、地方の製造業や卸売業、さらにベンチャー型スタートアップ企業などです。

ー2020年前後から3年ほどで売り上げも伸長されていますね。

弊社はコロナ禍以前からリモートワークを基本としていました。KAITAKも、飛び込み営業やテレアポなとは違い、メールを通じたオンラインの営業支援です。

そのシステムが、2020年から始まったコロナ禍によるオンライン推進の時流に合ったことで、お客様にも選んでいただけるようになったのでしょう。

売り上げが上がるとともに、社員数も3倍になりました。現在は、フルリモートを基本とし、全国各地に社員がいます。

面接もリモートですが、人材を選ぶ際は、「300年理念」実現をともに目指せる仲間ということを大切にしています。

「みんながもっと楽しく生きる社会にしたい!」という想いから生まれた、「300年理念」で、会社を、働き方を、社会を、再定義する


ー「会社、再定義」というコンセプトのもと、「300年理念」を設けられています。これらに込めた想いについて伺いたいです。

まず「300年理念」からお話しましょう。
「300年理念」の概略は、多種多様な人が活躍できる社会を作りたいということなのですが、弊社が捉えている多種多様というのは、ダイバーシティという意味ではなく、人の内面的な部分です。

性格や人柄、育った環境、これまでの生き様など、皆さん様々な背景を持っていますよね。そうした意味での多様性ということです。

社会の中で、生きづらさを感じている人って多いと思うんです。その要因は日本の画一化された社会にあるのではと考えています。

例えば、中学や高校で部活動が強制になっていたり、採用就活も新卒一括採用が標準化されていたり…。
そこに窮屈さを覚える人はたくさんいるのではないでしょうか。私もそうでしたし、留学も経験してそういう考えがさらに強くなりました。

日本では、未だに大企業で働く人がスタンダードとされる部分がありますが、新橋のサラリーマンを見ても疲れた顔をしているし(笑)。ハッピーに働いているとは言えませんよね。

みんなもっと自由に人生を生きていいし、一般的とされる価値観に縛られる必要はないと思う。画一化された社会に無理に自分を合わせることはないんですよ。

だから、型にハマらない、多様な働き方、多様な生き方を開拓していきたい。そうしたところから、「300年理念」の基礎となる考えが浮かび上がりました。

ーなるほど。例えば画一的な社会からはみ出した人でも、ハッピーに生きていける働き方があるし、縛られる必要はないということですね。

はい。そこで「会社、再定義」です。
人生の中で仕事する時間は1/3から半分くらいかと考えると、結構長い時間ですよね。それなら、仕事のやり方にも多様性を持たせて、みんなが働きやすくすれば、きっと楽しく生きられるはずです。

会社自体が変われば、社会が変わり、みんなも変わっていくはず! そんな想いから、「会社、再定義」をコンセプトにしました。

ーそんな社会が実現できたら素敵です。もともと、考えていたことですか?

それもありますが、創業時にイメジンを一緒に立ち上げた友人と一緒に、真剣に考えたんです。「どうしたらみんなが楽しく生きられるか」と考えて「300年理念」を生み出しました。

多様な人が創意工夫して働き、商売創出し、文化振興して、宇宙環境の改善まで図って、300年の間人類社会に貢献し続けられたらと考えました。

「300年理念」に共感した仲間とともに、社会を変える。


●プロフィール
田宮 千香(たみや ちか)・取締役COO
2018年に物流大手企業に新卒入社し、化粧品・健康食品の物流管理を担当。 2020年、イメジンの取締役COOとして経営に参画した。


ー強い理念を大切に、創業から様々な方々と業務拡大されたようですが、2021年より取締役CEOに田宮千香さんが加われています。

企業が順調に発展する中で、役員を新たに加えたいと思い、いいタイミングで出会いました。田宮は非常に強く優秀な女性。お会いしてすぐに役員にならないかと声をかけました。

即決で打診した理由としては、まず一つに300年理念をよく理解して、強く共感してくれたことです。

私は、会社を続けること自体が理念の実現に向かうと考えているのですが、彼女には最初から、事業としてコミットメントできるくらいの強い共感があり、すぐに「入社してほしい」とお願いしました。

もう一つが、仕事の捉え方です。
私は、仕事は「社会貢献」だと考えていますが、彼女も同じで、前職からその考えで突き進んでこられていました。

私自身、20代でそこまで考えられていなかったので、彼女はすごいなあとある意味リスペクトがありますね。

現在、田宮はCEO取締役として、KAITAKのカスタマーサクセス部門の担当のほか人材採用など、試行錯誤しつつ、あらゆる業務で活躍しています。

ー強い理念で進んでいる企業なので、加わる仲間にも「共感」が大切ですよね。今後、チャレンジしたいことはどんなことでしょう?

たくさんありますが、やはり事業をさらに成長させ、日本を代表するくらいの企業にしたいです。

理念の実現を大きく掲げているのでNPO法人のように捉えられがちですが、我々は企業ですから野心もあります。事業の収益をあげることを前提として、理念の実現に向かいたいです。

弊社には300年理念の実現のため、「社員憲章」を設けています。
「会社が社員に命令しない」「居住地、勤務地の自由」「社員は業務上の要請に応えるかどうか自分で決められる」などたくさんあるのですが、従来の会社ルールとかなり違うものです。

弊社が成長して知名度も上がれば、こうした働き方が高く評価されて、真似する企業も出てくる。そうなればきっと社会も変わるはずです。

300年理念の考え方を浸透させ、弊社の社員憲章にある働き方を広めていきたいです。

ー松木さん自身の今後やっていきたいことは?

ずっと思っているのが「困っている人を助けたい」ということ。
今の日本の社会は、子ども達がもっと学びたい、もっとやりたいことがあると言っても、親の裕福度にも左右されがちですよね。

例えば、留学などにしても金銭面が追いつかなければ、その機会も得られない。そういったことに対する支援をしたいです。

また、300年理念の中の多種多様な人材というところに話は繋がるのですが、画一的な社会からこぼれてしまった人々は、生きていくことに心が折れがち。そうした人々を手助けする仕組みも作っていきたいです。

そうした支援や仕組みづくりには資金が必要なので、今後は事業をさらに拡大させ、収益を上げていきたいです。

ー貴重なお話をいただき、ありがとうございました!

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Written by

奥野 妙子

奥野 妙子

大学卒業後、ソフトウェア開発に関わり、広告関連会社に就職してライターに。実績は15年以上。人材採用、女性のファッション・雑貨、教育関連、エンタメ系(舞台)を中心に、様々なジャンルで取材・ライティングを中心に活動。好きなものは、お酒と観劇と読書と温泉。

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