履歴書やエントリーシートを企業に郵送する際「◯日必着」といった注意書きを目にします。しかしながら、この必着を間違った意味で認識しているケースが度々見られます。そもそも必着とは、どのような意味をもつ言葉なのでしょうか。また、似た意味と誤認されている「消印有効」との違いも気になると思います。
そこで本記事では、必着の意味や期限ギリギリになったときの対処法などを解説するので、ぜひこの機会に覚えてしまいましょう。
必着とは、どんな意味?
就活関連の書類を郵送するときには期限が定められています。中でもエントリーシートや履歴書などは、特に期限が厳しい書類です。企業の求人には、毎年多くの学生がエントリーします。
そのため、全員がバラバラのタイミングで履歴書を送付すると、採用担当者の負荷は相当高くなるでしょう。よって、そうならないために決められているものが「必着期限」です。本章では「必着」の意味について、詳しく解説していきます。
指定日までに届いたもののみ有効
必着の意味とは、ずばり「期限までに届いたもののみ有効」ということです。言い換えれば、その日以降に届いた書類は、無効となってしまうということです。また企業によっては、日にちだけでなく「◯日の18時まで」と時間まで指定している場合もあります。
しかし、「必着なのだからその日に届けなければならない」と勘違いしてしまっている方も多いでしょう。必着というのは、最終的な期限であって、当日より前に到着しても問題ありません。「期限までに届けばよい」と認識しておきましょう。
必着に遅れてしまった場合
では、必着と書かれた期日に遅れてしまった場合は、どうなるのでしょうか?結論から言えば、選考してもらえなくなる可能性が高いでしょう。期限までに書類を届けることが、社会人の基本だからです。
たくさんの学生から、履歴書を受け取っている企業は、1人1人に柔軟な対応はできません。そのため、たとえ止むを得ない事情があったとしても、期日に間に合わなければ選考を受けることは困難です。しかし、後ほど解説するように「遅れそうなとき」の対処法はあります。「遅れてしまうかもしれない」と思っても、諦めずに他の方法を検討してみましょう。
消印有効との違いは?
企業によっては、履歴書などの期日を必着ではなく「消印有効」と記載している場合もあります。では、消印有効とはどのような意味なのでしょうか。
「消印有効」とは、言葉通り郵便局などで押される「消印」が、期日に間に合っていれば「有効」であることを意味します。到着の「期日」ではなく、企業が指定した日にちの消印(=期日)が押されている書類は受け取ってもらえるため、当然、選考も受けられます。
多くの場合は、郵便局などへ提出したその日の消印が押されます。しかし、ポストへの投函の場合は、翌日の扱いになってしまう可能性もあるでしょう。期日ギリギリだという場合は、郵便局の窓口へ直接持ち込む方法がおすすめです。
配達日指定との違いは?
必着や消印有効などと似た意味の言葉に「配達日指定」というものもあります。就活のときに企業側から、配達指定日と支持されるケースは少ないですが、念の為、必着の意味とともに確認しておきましょう。
配達指定日とは、期限に余裕をもって提出した場合、郵便局に提出した日の翌々日から10日以内であれば、配達日を指定できるというものです。そのため、必着など「期限」を意味する言葉とは、少し異なります。
あくまでも、希望する日に届けるためのサービスが「配達指定日」であることを覚えておきましょう。
「必着」にする場合の注意点は?
必着に間に合うよう書類を郵送するためには、いくつかの注意点があります。レターパックやメール便の利用ができないこと、投函日、郵送方法、返送されてしまう可能性などが注意点として挙げられます。これらの詳細について、本章でそれぞれ解説していくので、必着までに届くよう書類を出す場合には、ぜひ参考にしてください。
レターパック・メール便に注意
一つ目の注意点は、レターパックやメール便の利用についてです。
レターパックとは、郵便局が提供しているサービスのひとつで、信書を送付できます。信書とは、特定の人へ向けた手紙のことであり、履歴書もこれに含まれます。ただし、場合によっては、企業側に受け取ってもらえない可能性もあります。履歴書を送付するときには、やはり通常通り封筒に入れて郵送するべきでしょう。
一方、メール便で信書は送れません。メール便を利用して履歴書を郵送しようとしても、郵便局の窓口で拒否されてしまうでしょう。
投函日を確認しておく
応募書類は、期日に限らず余裕を持って提出するのがマナーです。しかし、このとき必着に間に合う投函日をしっかり把握しておかなければなりません。いくら期日に間に合うだろうと思っていても、送り先によっては想定していたよりも郵送に時間がかかり、必着に間に合わない可能性があります。
郵便局のホームページでは、送り先と届け先を入力するだけで、相手の元へ届くまでの日数を知ることができます。企業の所在地によって、細かく確認できるので事前に活用しておきましょう。
郵送方法を考える
履歴書を送る際の郵送方法としては、以下3つがあります。
- 普通郵便
- 速達
- 特定記録郵便
普通郵便とは、最も一般的な郵送方法です。速達を利用することで、普通郵便よりも早く書類を届けられます。どちらの方法も企業側の「受領印」が不要なので、送り先に手間がかかりません。しかし、普通郵便と速達は、郵送の追跡ができません。書類が確実に届いているのか確認ができない点がデメリットだといえます。
より確実に履歴書を送付するのであれば「特定記録郵便」というオプションをつけるとよいでしょう。受領印が不要かつ、書類の追跡ができるので安心です。
返送されることも想定しよう
基本的に履歴書などを送付する際は、封筒に書いた住所などに誤りがないか、しっかりと確認する必要があります。ただし、確認したつもりでも、何らかの間違いがあった場合は、書類が返送されてしまう可能性もあります。また、企業が事務所を移転していたなどのケースも考えられるでしょう。
必着期限に余裕をもって提出したにもかかわらず、返送されてしまったことで、選考を受けられないというのは非常に勿体ないことです。宛先、自身の住所、切手の値段をしっかりと確認したうえで、万が一変装されてしまっても間に合うよう投函してください。
必着に間に合う投函日の目安は?
繰り返しになりますが、提出期限に間に合うよう、書類を提出するのは社会人のマナーです。そして、不測の事態に備えて、余裕をもつこともやはり当然であるといえます。では、どのくらい余裕をもって履歴書を送付すればよいのでしょうか?
必着に間に合うよう、書類を提出するために知っておきたいのは、投函日の目安と郵送元です。それぞれについて、以下で紹介します。
期日の5日前まで
必着に間に合うよう、履歴書を提出するためには、期限の5日前までに投函すると良いでしょう。郵送にかかる日数は、発送元と届け先の住所によっても異なります。翌日には届く場合もあれば、2〜3日かかってしまう場合もあります。また、週末に投函した場合は、日曜や祝日を挟むため、さらに時間を要します。交通状況なども十分に考慮しなければならないでしょう。
必着日に間に合うようにするならば、最低でも期限の5日前には投函しておかなければなりません。もちろん、それより前であっても問題はありません。
窓口から郵送しよう
投函してから送り先に届くまでの日数は、どこから郵送されるのかによっても異なります。ポストに投函した場合は、郵便局の窓口よりも時間がかかってしまいます。
したがって、履歴書などの重要書類を郵送する場合は、窓口から郵送するのが一般的です。郵送日数の目安もわかりやすく、より確実に期限を守ることができるためです。
また窓口であれば、必要に応じて発送方法を変えたり、オプションをつけたりすることが可能です。臨機応変に対応できるので、履歴書はできるだけ窓口から発送しましょう。
余裕をもって投函すべき理由
履歴書などの書類は、なぜ余裕をもった投函が必要なのでしょうか。それには不測の事態への備え以外にも、以下で紹介するような理由があるからです。
採用担当者を困らせる
履歴書の送付を期日よりも余裕をもって投函する理由は、採用担当者の立場を考えてのことでもあります。締切ギリギリになって送付される履歴書は、それだけ内容を精査する時間がなく、採用担当者を困らせることになってしまいます。
自分が履歴書を送れば、当然それを読む人がいます。採用担当者も日々の業務と並行して、就活生の履歴書を確認しているため、少しでも時間的ゆとりがもてるよう、期限ギリギリの投函は避けるべきでしょう。
早く出すと、じっくり読んでもらえる
もちろん就活生からみても、余裕をもって履歴書を送付することにはメリットがあります。先ほど、締切ギリギリに届いた履歴書は、それだけ採用担当者が内容をしっかりと確認する時間がなくなってしまうと説明しました。
言い換えれば、期限にゆとりをもって届いた履歴書は、それだけ採用担当者にじっくり読んでもらえることを意味します。せっかく履歴書を作成したのであれば、サラリと確認されてしまうよりも、じっくり読んでもらえたほうがよいでしょう。
その結果、選考結果を左右するという可能性もあります。就活生のみなさんは、ぜひ余裕をもって履歴書を送付しましょう。
必着に遅れそうなときの対処法4つ
いくら余裕をもって履歴書を作成しようとしても、何らかの理由から作業が遅れてしまうこともあるでしょう。しかし、「もしかしたら期限に間に合わないかもしれない…」と思い、提出を諦めてしまうのは勿体ないです。本章では、必着に遅れそうなときにできる対処方法を解説します。
1.バイク便を使う
バイク便とは、オートバイを使って郵便物や書類を郵送するサービスのことです。東京や大阪など大都市に限ったサービスですが、郵送先が近い場合には最短、発送から数時間で送り先に届けられます。
つまり、締切当日になってしまった場合でも、届け先が近くにある場合は、まだ間に合う可能性があるということです。ただし、輸送距離によっては、配達料金が高額になってしまう可能性があるため注意しましょう。
2.宅配業者を使う
宅配業者には、当日のうちに荷物を郵送するサービスをおこなっている会社もあります。しかし、確実に当日届くとはいえず、輸送距離によっては翌日になってしまう可能性もあります。
また、基本的に宅配業者は、書類や手紙などを単体で送ることはできません。何らかの荷物と一緒に送ることが前提となるため、履歴書のみを送付する場合は、利用できない手段です。
3.速達で送る
より早く書類を届ける方法として、一般的なのは「速達」を利用することでしょう。普通郵便よりも早く、送り先に書類が届きます。具体的には、速達を使うことで普通郵便よりも、半日から1日早く書類が届きます。また日曜・祝日にも対応していることも魅力です。
ただし、普通郵便よりも260円(250gまで)高いことや、企業から期限にルーズな人という印象をもたれてしまうリスクがあるなどのデメリットもあります。
4.直接渡しに行く
期限に遅れそうな場合の最終手段としては「直接書類を渡しに行く」という方法もあります。しかし、この方法は企業によって禁止となっている可能性があるため注意が必要です。
ホームページなどに「直接来社するのはお控えください」などと記載されている場合、この方法は使えません。そのような場合には、速達やバイク便を利用しましょう。
切手にもマナーがある
ここまでは、履歴書の必着など期限について解説しました。しかし、企業へ履歴書を送付するときには、他にも気をつけなければならない点があります。それが「切手」です。
切手に関するマナーは、見落とされがちですが、場合によっては「雑な人」といった印象をもたれてしまう可能性があります。切手は金額が多すぎても、少なすぎてもいけません。また枚数もできるだけ少なく済むよう、購入しましょう。
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履歴書やエントリーシートを送付する際、期限として定められている「必着」について、意味や注意点、投函の目安などを解説しました。ゆとりをもって、書類を送付することは、確実に選考を受けられるだけでなく、相手への配慮といった意味もあります。
また。これから社会人になる方に対して、企業はまず「期限を守れる人かどうか」をチェックしています。必着に間に合うよう、最低でも5日前までには、履歴書を郵送しましょう。