ウェブデザイナーになるには特定の資格を持っていることは求められてはいません。どのような経験やスキルがあると採用されやすいのか、また取得すると有利になる資格について解説します。年収やなり方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ウェブデザイナーの5つの仕事内容
ウェブデザイナーとは、ウェブサイトのデザインをする仕事です。ウェブデザイナーには、ウェブサイトの見た目を美しくすることだけでなく、操作性が高いデザインにすることも求められています。
ウェブデザイナーの仕事内容は、主に次の5つに分けることが可能です。
- ヒアリングや調査によりデザインの枠組みを決める
- ウェブサイトの構成とレイアウトを決定する
- ウェブサイトのデザインを決める
- クライアントと交渉して細部を決定する
- ウェブサイトのコーディングをする
それぞれの仕事について、詳しく解説します。
1.ヒアリングや調査によりデザインの枠組みを決める
ウェブデザイナーの仕事は、クライアントの希望やデザインの意図などを丁寧にヒアリングすることから始まります。デザインの価値は、クライアントの満足度で決まるといっても過言ではありません。不明点は何度もクライアントに問い合わせ、クライアントが持つ最終的なイメージを具現化するデザインを完成させていきます。
また、案件によっては、「女子中高生が使いやすいショップ検索アプリを作って欲しい」などのように、調査が必要になるケースもあるでしょう。このような場合には、実際にデザインをするウェブデザイナーが調査に携わることも少なくありません。
ヒアリングや調査の結果をまとめ、デザインの枠組みを決定します。枠組みを決定する際もクライアントとこまめに意見を交換し、クライアントの意図とずれがないように確認しながら進めていくことが大切です。
2.ウェブサイトの構成とレイアウトを決定する
デザインの枠組みに沿って、ウェブサイトの構成とレイアウトを決定していきます。最初は大まかに構成を決め、キービジュアルなどのウェブサイトの全体イメージに繋がる部分だけを決定することが一般的です。その後、操作性を高めるためのUI(User Interface)デザインや、ユーザーが楽しく操作するためのUX(User Experience)デザインを行います。
3.ウェブサイトのデザインを決める
ウェブサイトの全体像と操作性の部分を決定した後で、細かなデザインの段階に進みます。ウェブサイトのコンセプトに合っていることを意識しつつ、色合いやアイコンの配置などを決めていくことが一般的です。
なお、企業によっては、UIデザイナーやUXデザイナーが別に担当することもありますが、操作性や楽しさの部分もウェブデザイナーがまとめてデザインすることも多いです。
4.クライアントと交渉して細部を決定する
ウェブデザイナーが理解しているコンセプトとクライアントが抱くコンセプトにずれがないよう、細部のデザインを行うときもクライアントと相談を重ねます。
決定した配色やアイコンなどについては、デザインカンプと呼ばれるデータに蓄積し、後で見直しやすくすることが多いです。ウェブデザイナーだけでなく、ウェブサイト制作チーム全体で協力してクライアントが希望するデザインを作っていきます。
5.ウェブサイトのコーディングをする
細部までクライアントの同意を得た次は、ウェブサイトを実際に構築する段階です。この作業はコーディングと呼ばれ、HTMLやJavaScriptなどのプログラミング言語を用いて進めていきます。
なお、コーダーと呼ばれるコーディング専門のスタッフがコーディング作業を担当することも少なくありません。また、コーディングの後でシステム構築のプログラミングを行うこともあります。この場合もウェブデザイナーが担当することもありますが、プログラミング専門のプログラマーが行うことがあります。
ウェブデザイナーは無資格でもなれる!
ウェブデザイナーは無資格でもなることがあります。また、以下の基本知識があれば、企業によっては未経験でも採用される可能性があるでしょう。
- Illustrator
- Photoshop
- HTML
- JavaScript
- CSS
もちろん上記の知識があり、なおかつウェブデザイナーとしての経験があれば、即戦力として採用されやすくなります。コーディングやプログラミングにも対応できる場合には、さらに重宝されるでしょう。また、ウェブデザイナーはクライアントと交渉する場面が多いので、コミュニケーションスキルが高い方も求められます。
あると良い資格を紹介
ウェブデザイナーになるために資格は必要ありませんが、特定の資格を有していることである程度のスキルが担保され、就職活動や転職活動に有利になることがあります。評価されることが多い資格としては、次の3つが挙げられるでしょう。
- Webデザイナー検定
- ウェブデザイン技能検定
- HTML5プロフェッショナル認定資格
Webデザイナー検定とは、公益財団法人画像情報教育振興協会が主催する民間検定で、ベーシックとエキスパートの2つのレベルがあります。マークシート方式なので、初心者でも取り組みやすい点が特徴です。
また、ウェブデザイン技能検定は国家検定で、合格者はウェブデザイン技能士を名乗ることができます。1級から3級まであるので、段階を経てレベルアップしていくことが可能です。
HTML5プロフェッショナル認定資格は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが主催しています。オンラインで受験できるので比較的ハードルが低い点が特徴です。主に、CSS3やJavaScriptなどのプログラミング限度関係の知識が問われます。
スクールに通うメリット
ウェブデザイナーに必要な知識は、スクールに通って習得することができます。体系的に学べるので、比較的短期間でウェブデザイナーとして必要な知識を網羅できるでしょう。
また、疑問が生じたときもすぐに講師に質問できる点も、スクールに通うメリットです。ウェブ関連は技術が日々新しくなりますが、スクールに通えば、常に最新の知識を得られます。
講師や同じスクールに通う仲間から就職・転職に関する情報を得られるのも、メリットといえるでしょう。人脈が広がり、スクール修了後も交流が続くこともあります。
独学でスキルを身につけるメリット
ウェブデザイナーに必要なスキルは独学でも習得することができます。例えば、基礎のみを本などで学び、ウェブサイトの制作に使うソフトウェアを購入して、実際に操作しながら学ぶこともできるでしょう。
独学のメリットとしては、時間が比較的自由になる点が挙げられます。スクールは時間割が決まっていますが、独学であれば家事の合間などに行えるでしょう。
未経験でもなれる?求人はある?
ウェブデザイナーの経験がなくても、アルバイトや派遣社員としてなら採用されることがあります。また、基礎的な知識だけでも応募は可能なので、挑戦してみてもよいでしょう。
自作したウェブサイトなどを提示することで、採用に有利に働くことはあります。ウェブサイトの制作ソフトを使いこなし、面接担当者にアピールできる良い作品を作っておきましょう。
ウェブデザイナーの平均年収は360万円前後
ウェブデザイナーの平均年収は360万円前後です。全職種の平均年収が410万円程度なので、低めといえます。
ウェブデザイナーの約4割は年収が300万円以上400万円未満です。次いで多いのが年収300万円未満で、3割弱のウェブデザイナーが該当します。
ウェブデザイナーとしてデザインを担当するだけでなく、サイト制作チームのプロデューサーやディレクターになると、年収が高額になることが多いです。ウェブプロデューサーやウェブディレクターの平均年収は440万円程度で、全職種の平均よりも高額です。
ウェブデザイナーの将来性は高い
平均年収は高いとはいえませんが、ウェブデザイナーは将来性の高い仕事です。今後、ますますIT化が進む世の中において、ウェブデザインを必要とする企業も増えると考えられます。
実際にウェブデザイナーの求人案件は多く、関連するスキルを保有していれば就職や転職に有利になるでしょう。また、ウェブデザインはパソコンさえあればできるので、テレワークにも向いています。将来的に在宅で仕事をしたいと考えている方にも、ウェブデザイナーは適した仕事といえるでしょう。
ウェブデザイナーで年収アップを目指す方法
ウェブデザイナーの約7割が年収400万円未満ですが、中には年収が1,000万円を超えている方もいるため、やり方次第では年収アップが可能な仕事だといえます。次の3つの方法で、年収アップを目指してみましょう。
- とにかく経験を積む
- 魅力的なポートフォリオを作成する
- 職種や職場を変える
それぞれの方法を詳しく解説します。
とにかく経験を積む
ウェブデザイナーは未経験でもなることは可能ですが、経験があれば優遇されることも事実です。幅広いデザインに挑戦し、経験を積むことで、年収アップを目指してみましょう。経験を積むと、現在の職場でも早くウェブディレクターやウェブプロデューサーなどの上位職に就けます。
また、経験を積むと転職にも有利に働くでしょう。ウェブデザイナーの求人案件では「JavaScriptを使える方」「CSS3で制作経験のある方」のように具体的なスキルを条件として掲げていることが少なくありません。経験を積んで対応できるスキルの幅を広げておくと、より条件の良い案件に応募できるようになります。
魅力的なポートフォリオを作成する
ウェブデザイナーとして就職・転職する際には、今までの作品をポートフォリオとして提示を求められることがあります。幅広い仕事に参加しておけば、ポートフォリオもより魅力的なものになるでしょう。
もちろん、作品の幅の広さだけでなく質の高さも重要視されます。スキルを磨き、より良い作品を制作して、ポートフォリオに加えておきましょう。
職種や職場を変える
ウェブ系のデザイナーにはさまざまな種類があります。UIデザインに特化したUIデザイナーや、CG(コンピュータグラフィックス)に対応するCGデザイナーなどの職種に変えることで、年収アップが叶うかもしれません。求人案件を見るときは「ウェブデザイナー」に限定するのではなく、広く「デザイナー」のカテゴリーでチェックしてみましょう。
また、ウェブデザイナーの給料は、企業ごとに異なります。今のままのスキルでも、転職することで年収アップを実現できるかもしれません。こまめに求人案件などをチェックし、より良い条件で働くようにしましょう。
ウェブデザイナーを目指してスキルアップに励もう
ウェブデザイナーは幅広い知識とスキルを習得することで、対応できる仕事が広がる職業です。独学で習得できるスキルも多数あるので、時間を見つけてスキルアップに励みましょう。
ご自身の適性や転職についてのお悩みは、ハレダスの「転職相談チョイス」にぜひご相談ください。転職サポートの経験豊富なキャリアアドバイザーが、親身に寄り添ってアドバイスをいたします。お気軽にお問い合わせください。
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