
転職活動をする際に、億劫になりがちな履歴書や職務経歴書などの書類作成。「自己PRって何を書けば良いかわからない」という人もいるのではないでしょうか。
今回はそんな人に向けて転職における自己PRの書き方を紹介します。すぐにでも参考にできる、職種別・自己PRの例文も一緒に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
自己PRの作成前に準備しておくこと
自己PRを作成する前に、いくつか準備が必要です。ここでは、その準備手順を詳しく紹介していきます。
1.自己PRとは、何を伝えるものかを知る
自己PRとは、「自分は何が得意なのか」「どんなポイントが会社に貢献できるのか」など、自分を採用するメリットを企業に伝える項目です。
ただの自己紹介にならないように注意しながら、興味を持ってもらえる内容を意識して作成しましょう。
2.経歴やキャリアを書き出す
自分の魅力をアピールするためには、過去を見つめ返すことが大切です。これまで経験してきた業務や実績を書き出し、整理してみてください。
そうすることで自己分析になり、得意が明確になったり、興味がなかった職業や職種に視野が広がったりする場合もあります。仕事選びの軸も固まっていくはずです。
経歴やキャリアをどう振り返って良いかわからない人は、「職歴」「経験」「スキル」「実績」の4つに分けて考えていきましょう。
どんな仕事をしていたか、業務上の課題をどう解決してきたか、職場で得たスキルはなんなのか、結果的にどんな実績が残っているのかなど、細分化して考えることで思い出しやすくなりますよ。
3.応募先企業との共通点を探す
腰を据えて働くためにも、企業と自分の共通点は必要になってきます。応募先の企業はどんな人材を求めているのか、具体的にどのような仕事ができるのか、など調べてみましょう。
それらの情報をもとに、自身のスキルや経験を照らし合わせながら共通点を見つけることで、企業にマッチする自己PRが作成できます。
《内容編》これで完璧!魅力的な自己PRの書き方
経歴や得意を洗い出したら、実際に自己PR文を作成していきます。伝えたいことはたくさんあるかと思いますが、独りよがりにならず、読み手の気持ちを考えながらアピールすることが大切です。
自分の一番の魅力をわかりやすく、簡潔に。企業でどう活躍できるかを記載していきましょう。
《ポイント1》一番アピールしたいことを冒頭に記載する
人事担当者は毎日たくさんの履歴書を見ているため、1枚の履歴書に目を通す時間は少ないと言えます。
ですので、伝えたいこと、アピールしたい強みは必ず冒頭に記載するようにしてください。
そうすることで、ひと目で内容が理解しやすくなります。また、結論から述べれば説得力が増す効果もあるので、応募者にとってもメリットは大きいでしょう。
《ポイント2》アピールポイントを裏付ける具体的例を挙げる
アピールポイントに対して具体的なエピソードを述べることにより、強みに信憑性を持たせやすくなります。成功や実績を収めたことはもちろん、失敗体験を用いるのもポイントです。
マイナスな印象を与えるように思いますが、その経験を現在どう活かしているか、どう成長したかを伝える良い手段になります。
また、同時の課題解決力も売り込めるので、失敗したエピソードを自己P Rに加えるのもおすすめです。
《ポイント3》アピールポイントが企業でどう活かせるかを述べる
自己PRの締めくくりは、これまで記載してきたアピールポイントを活かして会社や仕事にどう貢献できるかを述べましょう。
そうすることで、入社後のイメージがきちんとできているかを伝えられますし、会社にどんなメリットを与えられるのか、人事担当者がイメージしやすくなります。
《レイアウト編》これで完璧!魅力的な自己PRの書き方
自分の魅力を伝える自己PR文は、内容はもちろん、レイアウトも重要になってきます。
ここでは、人事担当者が読みやすく、好印象を与える自己PRのレイアウトを紹介します。
《ポイント1》見出しをつけて読みやすくする
要点を見出しのように抜き出して書くと、見やすく内容を理解してもらいやすくなります。
手書きの場合は、ペンの太さを変えると強弱がつくので認識してもらいやすいですし、パソコンの場合も太字にしたり、箇条書きの設定にしたりと工夫することで、目を引く自己PRになりますよ。
《ポイント2》記載欄の8割程度を埋める
どれだけ強い想いがあっても、記載欄にびっしり小さい字で埋められていては、読む気にはならないものです。
逆にスカスカな場合も熱意がないと捉えられ、あまり良い印象を与えません。ですので、文章量は記載欄に対して8割程度埋めるのが適切です。
読みやすさを重視しながら、文字の大きさにも配慮してみてください。
《ポイント3》修正テープや修正ペンは使わないようにする
小さな間違いや1箇所だけの誤字なら、修正テープやペンで手直ししたくなってしまいますがNGです。
書き間違えた書類を修正してはいけないというルールは原則ありませんが、与える印象はあまり良くないですし、修正していない書類と比べると見劣りします。
「もったいない」と感じるかもしれませんが、新しく書き直すのがベストです。
もし、時間がない、提出用紙が一枚しかないような場合は、間違えた箇所に二重線を引いて、訂正印を押して修正するようにしましょう。
【アピールポイント別】転職用自己PRの例文を紹介
ここでは参考にしやすいよう、強みごとに分けた自己PRを紹介します。
応募する職種の経験が浅い人でも使いやすいものになっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
【例1】事務職向けの例文は「協調性」を意識
《周囲との連携を図りながら、業務効率化を目指します》
前職では、貿易事務をしていました。輸入部門だけではなく、他部署の流れの把握や貿易の取引に関する知識の習得にも努めました。また、業務をマニュアル化することで誰もがスムーズに取り組めるよう調整しました。その結果、社内全体で業務がより円滑に進むようになり、新たな業務に取り組む時間と余裕ができました。貴社でも業務の効率化を実現すべく、周囲への配慮と思いやりを持って、業務の効率化を提供したいと考えます。
【例2】製造職向けの例文は「正確性」を強調
《地道な作業に手を抜かず、確実にやり遂げます》
コツコツとした作業が好きで、前職では機械製造に従事してきました。機械製造は精密なため、細かなズレが見落とされる場合もあります。ダブルチェックする際に、見落とされていた問題を発見し、すぐに上司に報告。その後修正を加え、無事正常な動作が確認できました。同僚や上司からも正確な作業ができると信頼を獲得してきました。
貴社での業務は、同業種ではありますが、食品というこれまで製造したことのないジャンルです。しかし、「正確性」は、製造職に不可欠なスキルだと考えます。貴社でもこのスキルを活かしながら、真摯に業務に取り組みます。
【例3】営業職向けの例文は「数字」が重要
《徹底的にお客様に向き合い、課題解決に努めます》
前職では5年間、資材メーカーの営業に従事してきました。3年目のときには、事務所のエリア内顧客で、2番目に売上規模の大きいお客様を担当。2年間で顧客内シェアを20%から30%にまで引き上げ、順位も3位から1位にアップしました。昨年には、最も成績を上げた営業に送られるMVPも獲得。所内の売上に大きく貢献しました。わたしの強みは、「課題解決力」です。お客様が何に悩み、どんなことを成し遂げたいかを丁寧にヒアリング。商談の前に資材が使われる場所に足を運んで、働く人の声にも耳を傾け課題を明確にしてきました。商談時にはその課題解決に適した自社商品をプレゼン。結果として、多くのお客様に導入をいただけることになりました。
さいごに
職種や性格によって自己PRの強みもさまざまです。
共通しているのは、自分の強みやスキルを明確にし、それを簡潔に見やすく記載すること。
上述した職種の例文を参考にしながら、企業にマッチするあなたの強みを伝えていきましょう。