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インタビュー

心と向き合い自己対話を深めた先に描く「パートナーシップ」のあり方とは/たいわ士 古瀬郁江さんインタビュー

社会変化の激しい昨今、男女の結婚に対する意識も大きく変化しています。

たとえば晩婚化や非婚化、同性婚、事実婚など一昔前では考えられなかったような男女のパートナーシップも社会で認知されるようになりました。

また新型コロナの影響によりコロナ離婚も増えており、多くの夫婦がパートナーシップを見直す動きが社会全体で強まったといえます。

そんな中で、女性の本音と向き合い自己対話を促してきた心の専門家、古瀬郁江(ふるせいくえ)さんがパートナーと立ち上げたのが無料コミュニティ「パートナーシップ研究室」でした。

よりよいパートナーシップを築くにはどうすればいいのか?
男と女の捉え方や心の動きはどう違うのか?

安心安全な場でパートナーシップについてみんなで考えることを目的としたコミュニティの参加者はすでに200名を超えており、定期的に活発なやりとりがなされています。

たいわ士である古瀬さんがどうしてパートナーシップ研究室を立ち上げたのか、パートナーシップに対する考え方やコミュニティ設立の背景について教えて頂きました。

パートナーシップ研究室の始まり:男女の心と向き合う


私はこれまで、子連れお菓子教室を元パティシエとして運営したり、ズボラ重ね煮の講師をしたり、胎児や赤ちゃんとお話する「たいわ士」として活動したりと様々な経験の中で多くの子育てママのお悩みに寄り添ってきました。

私にご相談下さる子育て中のお母さんは「子どもを愛したいのにうまく愛せない」と苦しんでいる方が多いです。

「愛する」ことは自分が主体となる行為なので、心の本音と向き合いながら訓練を重ねていけば、どんな人でも問題を改善することができます。

しかし、ひとりひとりの悩みを深堀りしていくと分かるのですが、子育ての問題は親との関係性の見直しにつながり、最後にパートナーシップの課題へと行きつきます。

パートナーシップはひとりでは築くことができません。自分主体でコントロールできない「相手」が必ずいます。

しかもパートナーシップの問題は他者に相談しづらいと感じる人が多いので、子育てや親との問題以上に表面化しにくく、自分の心を向き合わないと問題の本質に気づけないことも多いのです。

たとえばよくある夫婦のやりとりとして、仕事から帰ってきた夫に「洗濯物はちゃんとかごにいれてよ!」「靴下を脱ぎっぱなしにしないで!」といった注意を投げかけるシーンがありますよね。夫婦ともにイライラが募る状況です。

このシチュエーションで、もし夫が素直に洗濯物や靴下を片付けたとしても、実は妻の不満は解消されないことが大半です。夫からすれば理不尽に思えますよね。

上記のシチュエーションの場合、実は「あなたから雑に扱われているようで悲しい」「もっと自分を大切にしてほしい」といった想いが言葉の裏に隠れているケースが多いのです。

けれど、妻の側もイライラの根幹にある感情に気づかずに、表面的な言葉をぶつけてしまいます。そうすると問題が解決しないまま、どんどん関係がこじれてしまいます。

パートナーシップはコミュニケーションそのものです。相手のことを知りたいし、自分のことを知ってほしいからこそ、成り立っています。

それなのに、言葉と感情がすれ違って夫婦間のコミュニケーションの齟齬が生まれている状態は本当にもったいないと思ったんです。

私は2019年5月に前の夫から離婚を切り出されてから、パートナーシップとは何なのだろうとずっと考えてきました。

今のパートナーと巡り合ってからは、互いに過去を振り返りながら夫婦のコミュニケーションについて話し合う機会を何度も持ちました。

今のパートナーも過去に離婚を経験しており、コミュニケーションの専門家でもあるので、男女それぞれの視点を共有しながらパートナーシップに対する考えを深めていけたんです。

そうすると、先ほどの洗濯物や靴下の事例のように気づきがいくつも見つかりました。パートナーシップに悩む方々と様々な気付きを共有し、一緒に考えていきたい!という思いで立ち上げたのが、無料コミュニティ「パートナーシップ研究室」です。


あわせて、コミュニケーションに関するより具体的なノウハウや直接のアドバイスをお届けする少人数制の有料コミュニティ「パートナーシップ実験室」の運営も行っています。

「愛される」勇気と覚悟:親子の関係とパートナーシップ


女性としては、パートナーから愛されたいと思うもの。でも、実はちゃんと愛されたいと思うのなら勇気や覚悟が必要なんです。

パートナーに対してずっと自分を飾っていることはできませんよね。それこそお腹を見せながら「なでて」と寝転がる猫のように、相手に対して無防備な自分をさらけ出さなくちゃいけない。

「素の自分でも大丈夫、何があっても愛される」というある種の確信がないと、相手からの愛を素直に受け取れずに、捻じ曲げてしまうんです。

その確信を育んでくれるのは、本来は親との関係なんですね。思春期のときに特に異性の親に対して「嫌い!」という感情をぶつけて、親を困らせて、それでもちゃんと子どもとして愛される経験を積むことで、「自分は愛される」という思いを軸に親から自立していくんです。

でも、様々な理由からそういった親離れの経験ができない人もたくさんいます。私自身、3歳のときに母を亡くし、9歳のときに父を亡くしました。だから母親については記憶がありませんし、父に対しては強い憧れを抱いて育ちました。

子どものころから自立を迫られ、思春期の親離れを経験してこなかった私にとって、パートナーシップも子育ても未知の世界でした。

自分の人生を本当の意味で生きるために、子育てコーチングやたいわを学び、「地球に生まれたんだから、地球で暮らせばいいじゃん」というお腹の中にいた息子の声から気づきを得て、日本を離れてバリ島で2年暮らしました。

結果的に前の夫とは離婚することになりましたが、彼との14年の結婚生活があったからこそ、今のパートナーとの関係をよりよいものにできていますし、パートナーシップをみんなで考える場を作ることができたと思っています。

パートナーシップの秘訣:相手に依存せず自分を整える


今のパートナーとのコミュニケーションで気を付けていることとしては、次の3つが挙げられます。

・言いたいことを伝えるときに、未来につながる言葉を選ぶ
・感情をぶつけて終わりにせず、「何のため」なのかを明確にする
・伝えるべきことと伝えないこととを切り分ける

人と人とのコミュニケーションは結局、言葉で行う部分が大きいんですね。だからこそ、自分の心をきちんと言語化して、「本当に伝えたいこと」を伝える努力はし続ける必要があると思います。

よりよいパートナーシップを目指すなら、まずは自分で自分を愛して、満たして、整えるところから始まります。

自分への愛が足りないと、どこかから愛情を補填しようとしてしまいます。たとえば相手より自分の方が立場が上だと示すマウンティングは、自分を満たすために相手を利用している行為ですよね。そういった行為を続けると、夫婦関係が依存になっていきます。

自分を整えるためにパートナーの力を借りるのは構わないんです。大事なのは、あくまでも主体は自分だということ。相手に寄りかかるのではなく、自分で自分を整えるんだという意識です。

私自身もパートナーシップでうまくいかなかった経験をたくさんしていますから、簡単ではないことは承知しています。それこそ家づくりと同じで、最初の1回で理想の関係が築けることなんてほとんどないのかもしれません。けれど家とは違って、パートナーシップに歪みや亀裂が生じたとしても、心のあり方次第で修復できるんです。

実際、有料コミュニティの「パートナーシップ実験室」のメンバーを見ていると、ひたすら自己開示に取り組んで自らの心と向き合っていくだけで、パートナーシップが次々に改善していく事例が多数見られます。

コミュニティでパートナーシップが改善したというご報告を聞くたびに、心の奥底と向きあいながら自立する女性がよりよいパートナーシップを築けるようにお手伝いしていきたいという思いが強くなっていきました。

自分の心に素直であること。
そして心の本音と言動を一致させながら幸せをつかむということ。

私自身もそんな生き方をしていきたいと思っていますし、そんな生き方を選べる女性を増やしていきたいと考えています。

自分と向き合うたいわセッションやマインドリセット講座をこれまで展開してきたのですが、よりブラッシュアップした内容をお届けできるように今準備を進めています。

もっと気軽に自分の心と向き合えて、子どもやパートナーとのよりよい関係づくりに役立つようなコンテンツにしたいと思っていますので、9月のリニューアルをぜひ楽しみにお待ちいただけたらうれしいです。

【たいわ士 古瀬郁江さんホームページ】
https://flyinglover.com/

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Written by

Yulie TADA

Yulie TADA

大学および大学院でのインタビュー調査と論文執筆経験を土台にライター起業。各種メディアにて、幅広いジャンルのリサーチ記事やインタビュー記事を手掛ける。その他、Kindle原稿やYouTubeシナリオ、プロフィール・自分史、小説作品も執筆。現在は、他クリエイターと連携しながら各種制作を行っている。世界のどこかから生きた文章をお届けする旅人ライフを今後叶えていく予定。

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